作曲者はイタリアのマンドリン音楽を代表する作曲家の一人。マンドリンのための代表作としてIl Plettroの第1回作曲コンコルソで大金牌を受賞した「プレクトラム」、同じく第2回作曲コンコルソで第一位を受賞した「海の組曲」などがある。舞曲調の小品を中心とした作風はイタリアマンドリン音楽初期の典型であるが、アマデイのそれは簡素にして最大限の演奏効果を上げるオーケストレーションにより、ひとつの完成系を見出したと言える。クリスマスを題材にした曲は本曲の他にも「降誕祭」、小組曲「降誕祭の夜」があり、作曲者としてもお気に入りの題材であったかもしれない。本曲は3楽章からなる組曲で、マンドリンとギターの2重奏という形態を生かしたお洒落な曲に仕上がっている。
第1楽章 Campane e Pifferi -sfumatura(鐘と笛)
鐘を模したギターのオスティナート上に笛を模したマンドリンの旋律が流れる。勢い良く始まった音楽は最後には遅くなり、消え入るように終わる。
第2楽章 Intorno al ceppo -rimembranze(薪の周り)
ひたすら甘いレントワルツ風の追想曲。時に強く時に優しく押し寄せる感情は聴く者のみならず弾く者をも魅了する。
第3楽章 Mentre cade la neve -serenata(雪の降る間)
舞曲調の主題と歌う中間部からなる。特に全てマンドリンのG線で奏される中間部の旋律は他に類を見ない魅力を出している。