第9前奏曲
Preludio No.9 op.110(1920)
ラファエーレ・カラーチェ
Raffaele Calace

 作曲者のラファエーレ・カラーチェについては説明の必要はないだろう。20世紀初頭のマンドリン製作家であり、かつ作曲者であり、また、名演奏家でもある。クラシコタイプのマンドリンや、リュート・モデルノは、彼の考案・製作によるものである。彼のリュート・モデルノのための無伴奏曲は何曲もあるが、この第9前奏曲は1920年、ナポリのアオスタ大公妃殿下より下賜品を賜った曲で、1924年の来日の際にも演奏され、東京・京都・名古屋の各地で聴衆を驚嘆させたそうである。曲は早い16分音符の連続で、作曲者自身の演奏では5分18秒という猛烈な早さで演奏されているが、クーレ奏法による和音の掻き鳴らしを丁寧に演奏すると(それはそれで難しいが)8分以上かかる演奏になる。

'04 ウィンターコンサートより/解説:Takemoto


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