マンドリン、マンドロンチェロ、ギターのための三重奏曲ハ長調
Trio C-dur for Mandolin, Mandoloncello, and Guitar(1999)
シュロイ・ラービッツ

 作曲者は現在奈良マンドリンギター合奏団に所属するアマチュア作曲家。『マンドリンオーケストラの為の楽詩「うさぎ王国」より婚礼の宴』の作曲以降、Schreu Rabbitzのペンネームで作品を発表している。近年は室内楽の分野で精力的に作品を発表しており、本曲の他、無伴奏マンドロンチェロのための「ソナタ」、マンドリン四重奏曲、4つのマンドリンによる「A Sketch of Christmastide」などがある。作曲にあたって高度な演奏技術を要求せずに音楽的内容をもたせることが意図されている。 

 本曲は1999年に作曲され、同年12月、KAS Christmas Live '99において初演された。3楽章からなる室内楽曲の形式をとっており、以下のような内容になっている。

第1楽章 Moderato cantabile 12/8 ハ長調
 
ソナタ形式による。冒頭ギターのアルペジオに乗って、cantabileな第1主題がハ長調で提示される。主題の確保の後、accell.によって速められたテンポで第2主題がト長調で提示される。この主題は拍ごとにつけられたスラーが旋律に動きを与えており、第1主題との対比を作っている。小結尾の後、曲は展開部に入る。ここでのマンドリンとマンドロンチェロによる対位法を用いた2重奏は聴き所である。短い主音保続部の後、再現部に入る。第2主題は初めト長調で開始されるものの、後半ハ長調に転ずる。結尾の後、主音のユニゾンによって楽章が閉められる。

第2楽章 Larghetto-Allegro ニ短調
 
複合3部形式による。楽章頭の流れるような変拍子の主題は全曲中の白眉である。マンドリンとマンドロンチェロがそれぞれギターを伴って歌う中間部も美しい。

第3楽章 Moderato イ短調
 
自由な変奏曲の形式。4/4で提示された主題はひとしきりの変奏の後、Tempo di valse 3/4になる。そのまま第1楽章および第2楽章が回想される結尾部へとつながり、極限まで速められたテンポの中、最後は主題の断片のユニゾンで曲が終わる。

'04 ウィンターコンサートより/解説:Kiyota


>>Home >>Prev >>Return >>Next