愛の夜!〜四月一日
(初演稿)
Notte d'amore! 1er Avril,melodie
ヴィットリオ・モンティ 作曲/石村 隆行 整曲
Vittorio Monti

 作者はナポリに生まれ、生地のSt Pietro a majella音楽院で作曲、バイオリンを学び、18才でバイオリニストの資格を得た。1886年にはパリに移り、パガニーニの唯一の弟子であるCamillo Sivoliの元でより完成された技巧を習得した。そのままパリに定住した彼は、地元の名門オーケストラのラムルー管弦楽団のコンサートマスターと、パリコンセール管弦楽団の指揮者を歴任、1910年にはパリの著名なマンドリニストやギタリストを集めて、『モンティグループ』を結成し、大きな反響を呼んだ。その後は演奏活動を断念し、音楽教育や作曲の場に活動を移して行った。
 作品はオペレッタや歌曲を中心とし、当時流行していたパントマイム等にも作品を残した。マンドリン楽為の教則本など出版活動も精力的で、今は亡き音楽出版の最大手、ミラノのRicordi社から沢山の楽譜や教育書を出版した。モンティの作品と言えばなんといっても『チャルダッシュ』が著名で、皆様も一度はパイオリンの名曲として耳にした事があると思われるが、本来この曲はマンドリン二部とギター、ピアノといった編成で書かれたものである。
 本曲は作者が残した400を超えると言われるマンドリンオリジナル合奏曲のひとつで、沸き起こるような耽美な旋律と感傷的なハーモニーは極めて美しく、もっと多くの演奏の場が与えられてもしかるべきな佳曲である。元の編成はチャルダッシュ同様、マンドリン二部、ギター、ピアノである。副題にある四月一日の意味は判然としないが、作者の個人的な思い出の日かもしれない。
(石村隆行アルバム・フィロドリーノ第六巻参照)

'04 ウィンターコンサートより/解説:Yon


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