前奏曲第1番「誓い」
(1996)
加賀城 浩光
Hiromitsu Kagajyo(1961.8.23 Miyazaki〜)

 作者は1961年、宮崎県に生まれ、現在広島市民マンドリンクラブの指揮者として活躍する傍ら、精力的な作曲活動を展開し近年めきめきとその実力を発揮してきた俊英である。一方マンドリンとギターのデュオ「アコースティック・ボーイズ」ではギターを担当し、自作品によって独自の世界を築いており、現代ギター社より作品の出版が予定されている。合奏作品としては「Promenade I」、組曲「風の大地」などがあり、本年も「Promenade II 〜3つの風景」、「ももいろペリカン」といった作品群が初演を待っている。
 本作品は友人の結婚式で初演されたアンサンブル作品を合奏用に改訂したもので短い中に作者独特の叙情性が凝縮されており、はじめてマンドリンオーケストラを聞く人の耳にも優しく響くであろう。作品がB音のユニゾンから始まる為、「シあわせ」の前奏曲という意味あいを持っている。初演はノートルダム清心女子短大MCによって行われた。
 斯界では邦人作品というと難解か巨大か、という風潮が強く、加賀城氏の一連の前奏曲シリーズ(現在第5番まで作曲されている/但し3番は欠落)のように気軽でアンサンブルを楽しめる小品の存在は大変貴重で、今後も多くの作曲家に優れた小品の作曲を期待したいところである。当クラブでは今後も継続的に氏の作品を取り上げ紹介してゆく所存である。

第25回定期演奏会より/解説:Yon


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