「プレリュード2」
(1989)
吉水 秀徳
Hidenori Yoshimizu(1961.8.7 Osaka〜)

 作者は1961年大阪に生まれる。四條畷高校のマンドリンクラブを経て、大阪市立大学ギター・マンドリン・クラブでは指揮者として活躍しながら、自作『2つの動機(モチーフ)』を指揮、発表した。卒業後は京都を本拠とするエルマノ・マンドリン・オーケストラで活躍しつつ、作曲を行っており、1991年には当団委嘱作品『序曲』が日本マンドリン連盟主催の作曲コンクールで3位入賞、近年は新作『3 dimensions』『Ex-Trance』と充実した作品を発表している。氏の作品には「わかりやすい構成」「美しい旋律」を備え、中規模の社会人・学生アンサンブルが選曲するにあたって無理の無い編成規模を取る作品と、一歩進んでその力量を試す重厚な作品があるが、いずれも邦人オリジナル作品の様々な可能性の中でひとつの方向性を示したものとして注目を集めている。         

<作曲者記>
 現在のマンドリン音楽を眺めると、私が学生だった頃から省みて、内容の優れた数多くの邦人作品が発表されてきたように思います。またその反面、昔ながらのマンドリンオリジナルも、これに劣らず愛され続けてきているように見受けられます。イタリア古典の作品には、構成も技法もこれといって特筆すべきものがないにもかかわらず、思わず口ずさんでしまうような魅力を持っているものがあります。また近頃では武井守成氏の小品や、オデルの練習曲の中にも、いつかはこんな曲を作ってみたいものだと思わせるものを見いだすことがあります。
 本作品はこれらの作品群には及ぶべくもありませんが、比較的親しみやすく仕上がっていますので、聴く人・演奏する人にも取っつきやすいのではないかと思われます。曲の構成が、緩−急−緩の3部と、さほど複雑ではない事、10分程度の手頃な演奏時間である事、演奏しやすいようにスタンダードな編成である6パートのみで書かれている事などがその特徴と言えましょう。なお本曲は1989年夏に作曲をし、同年9月に四條畷高校によって初演いただきました。

第30回定期演奏会より/解説:Yon


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