ワルソーの思い出
"Souvenir de Varsovie" (1911)
シルヴィオ・ラニエリ
Silvio Ranieri

 作者は1882年ローマに生まれ、1956年ブリッセルに逝いた。15歳でマンドリニストとしてデビュー以来、ヨーロッパ各地を演奏旅行して、不動の地位を築いたが、そのレパートリは主にサラサーテやヴュータンなどヴァイオリンのそれであった。
 『その作品もこうした趣味高尚なものであり、殊にマンドリン協奏曲はヴァイオリン的で、技術的にも高度であるが、マンドリンそのものの楽器としての特色を生かしたものであるかには疑問符もつく。彼はこうした演奏面だけでなく、パリのデ・ラグルーヴ書店刊行の音楽辞典ではマンドリンの項を担当しているなど著述家としても名声を得ている。

 本曲はマンドリン協奏曲と並ぶ、作者の代表作で、ピアノを単なる伴奏楽器に貶めず、時にマンドリンと対等な役割をもたせたり、音域的にもマンドリンの響きを生かすよう工夫が成されている。表題の通り、ワルシャワ楽旅の印象を綴ったものと思われるが、序奏−主題−3つの変奏という明快な構成となっている。

'97 ウィンターコンサートより/解説:Yon


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