歌劇『はかなき人生』より間奏曲とスペイン舞曲
Interlude & Danse a la Opera "La vie Breve" (1905)
マヌエル・デ・ファリャ/正田隆之 編曲
Manuel Falla

 作者は1867年スペインのカディスで生まれた作曲家。グラナドスと同じくマドリード音学院でF.ペドレルに師事し、サルスエラの作曲を手掛けたのち、本作『はかなき人生』で楽壇の寵児となった。1907年にはパリに出て、印象派の作曲家と交わり、従来の民族主義的傾向と印象主義の融合を図った独自の様式を確立した。後年にはグラナダからアルゼンチンへと転住し、新古典主義的作品へと傾倒していった。上記グラナドスと同時代の作曲家だが、その作風の違いが楽しんでいただけることであろう
 本作品は1905年王立アカデミーが主催したコンクールのオペラ部門グランプリを受賞した作品で、グラナダを舞台にしたジプシー娘の愛と絶望を描いた作品で、『間奏曲』は不幸なヒロインの心理描写を、『スペイン舞曲( 第1番)』は自らを裏切った男の婚礼の場面のフラメンコ風の華やかな中にジプシーの哀傷を、それぞれ描いた名作である。

'97 ウィンターコンサートより/解説:Yon


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