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虹彩 (2006)

丸本 大悟
Daigo Marumoto (1979 Osaka - )

 作者は1979年大阪生まれで、高校時代のバンド活動を経て、大学入学時より龍谷大学マンドリンオーケ ストラに在籍、マンドラ首席奏者としてマルチェロの協奏曲を演奏。卒業後は ARSNOVA Mandolin Orchestraを経て、2005年よりARTE MANDOLINISTICA首席マンドラ奏者。作曲活動は高校時代から開始、大学時代にはマンドリン合奏曲「夢」が初演された。その後、ARSNOVA Mandolin Orchestra解散公演で演奏された 「ARSNOVA組曲」(末廣健児氏との共作)や、東北大学マンドリン楽部委嘱の「杜の鼓動」、梅花女子大学からの編曲委嘱などを手がける等精力的に作曲活動を行ってきた。2004年および2007年には自作品による オリジナルコンサートを開いた他、複数の合奏団で委嘱作品を発表している。2006年、「光彩」にて第2回大阪国際マンドリンコンクールアンサンブル部門第3位受賞。

 本曲は2006年、京都教育大学マンドリンクラブ第47回定期演奏会において初演された。
 曲は展開部的な性質の中間部を有する三部形式によるが、2つのモチーフと1つのテーマ、および作者の前作である「雨の世界」と「光彩」の引用によるエピソードという多彩な音楽要素が絡み合い、様々な響きを示している。上昇形の「雨の世界」のモチーフはおそらく雨が上がる描写であり、その後に光が差し、虹が現れるという様子が描かれる。また、2度の進行による響きの変化が全曲を支配しており、それが光をプリズムに通したように、様々な色を聴くものに見せる。

― 作曲者記 ―

自然に見える景色の中で、虹は
その鮮やかな色彩、
一瞬にして現われ消えてしまう儚さ、
空いっぱいに広がる壮大さ、
一方で小さく、触れることが出来そうなくらい身近にも見ることの出来る
とても不思議な存在だと思います。
この曲は私が虹に感じる色彩や想起される感情を曲想としています。

本来は、人間の瞳の色を決定し、目に入る光の量を調節する部分の事を「虹彩」と呼びます。
この曲名には虹を見た一人の人間の心象であるという意味を込めました。

参考文献:Music for Mandolin(丸本大悟氏のウェブサイト)
     ARTE MANDOLINISTICA大阪公演2008「3人の作曲家達II」パンフレット

第36回定期演奏会より/解説:Kiyota