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アーベントムジーク

Abendmusik, Vier Canzoni für Zupforchester(1949)
クルト・シュヴァーエン
Kurt Schwaen (1909.6.21 Kattowitz〜2007.10.9 Berlin)

I. Allegretto
II. Moderato (Andantino)
III. Poco mosso
IV. Vivo

 作者はドイツの作曲家。1923年からFritz Lubrich(Max Regerの教え子)にピアノ、オルガンと音楽理論を習う。1929年から1933年までベルリンとブレスラウの大学で音楽学、芸術史、哲学、ドイツ語を学ぶ。1934年からはピアノ教師として活動するが、ナチスの活動に反対したために1935年から1938年まで投獄された。戦後は民族音楽学校の設立に貢献するとともに、音楽講師として活躍した。その後東ドイツ作曲家音楽家協会、著作権保護団体や東ドイツ民族音楽協会、ドイツ芸術アカデミーなどで要職を務めた。
 様々なジャンルや楽器のために創作を行い、その主たる作風は調性に根差した新古典主義である。マンドリン合奏(Zupforchester)のためにはKonrad Wölkiの勧めで1948年にDrei Sätze, Op.24(三楽章)を作曲して以降、継続して作曲を行った。独奏を伴うZupforchesterやマンドリン独奏のための作品なども多数ある。
 本曲は、作曲者にとって最初のマンドリン合奏のための作品であるDrei Sätzeを発表した後に書かれた2作目の作品であり、ライプツィヒャーラウテンギルデ(ライプツィヒリュート組合)の指導者であったErich Krämerの依頼で作曲され1949年に発表された。その後、1980年の出版に際して第4楽章の終結部に改訂が行われており、本日用いる楽譜は改訂後の版である。今回の演奏に際しては、マンドロンチェロの加筆を行った。
 アーベントムジークとは直訳すると夕べの音楽という意味で、宗教的な色彩を持って教会で行われる夕べの演奏会を指す。特に17世紀にリューベックのセントマリーチャーチでクリスマス前の5回の日曜に夕べの演奏会を行う習慣があり、その演奏会を指した(そこでオルガンで演奏される曲を指すこともある)。副題に4つのカンツォーネとあり、カンツォーネはイタリアの歌を指すとともに器楽曲のジャンルではソナタの前身となった16〜17世紀の形式を指す。ヴェルキは、この曲におけるカンツォーネは「無言歌」という意味と解釈できるとコメントしている。

参考文献:
 Wikipedia, Die freie Enzyklopädie (ドイツ語版)
 http://de.wikipedia.org/wiki/Kurt_Schwaen

第43回記念定期演奏会より/解説:Kiyota