交響詩「虹の伝説」
Far from Ancient limes, People said Rainbow is the Symbol of Happiness(1990)
早坂 遼 作曲/今村 杉夫 編曲

I. 史都の幻想 Mdedieval Fantasy - Andante Cantabile
II. 風の隊商 Blowin' Caravan - Presto con fuoco
III. 星のVoyage Sailin' in Stars with Romance - Largo
IV. 大いなる帰還 Glorious Arival - Allegro Maestoso

 本名:中村弘明 作者は1947年東京に生まれ、1969年青山学院大学法学部に在籍中より作曲を鈴木静一氏に、楽理と管弦楽法を当時N響コンサートマスターの清田茂氏に師事し、在学中より多くのマンドリン合奏曲を発表した。中でも組曲「夕鶴」はナレーションとソプラノのボカリーズを伴う名作として、今日でも広く親しまれている。また大作「6つのオラトリオ」では多くの打楽器、電子楽器、混声合唱を駆使し100名を越えるダイナミックかつ斬新な作風を披露した。本クラブの創設時のメンバー達にとっては青山学院大学リズムマンドリーノでの先輩として後輩の指導に活躍し、今日のコンコルディアが産声を上げる上でのよき理解者となった。卒業後は音楽製作会社を設立し、CM,企業のイメージソングなど多岐に渡って活躍した。中でも1981年、トヨタソアラのCM「ツインカムの旅」はCM製作会社のコンクールでグランプリを受賞した。
 氏はクラシック及びニューエイジ系の作品にあっては1988年より「早坂遼」のアーティストネームを使用するようになり、同年のNHK「海のシルクロード」では音楽最終選考に残り次点となった他、放送大学のオープニングテーマや、「母と子のテレビ絵本」にも多くの作品を発表、中でも岩崎(当時益田)宏美の歌う「はるのうさぎ」は名曲として名高い。そして1992年6月、肺癌の為、45歳の若さで夭折、二十数年の作曲活動の中でCM作品850曲、歌作品300曲を残した。
 ちなみに氏が手掛けたCMには以下のようなものがあり、みなさん必ず耳にしているに違いない。 (中村氏の主なCM作品:高見山の歌う「丸八真綿」、エメロンクリームリンス「あなたの風になりたい」、「ローソン」〜♪開いてます、あなたのローソン♪、「タケヤみそ」〜♪一味違う、タケヤみそ♪、「紀文」〜♪キブン♪、「SONYハンディカム」〜♪ハンディカムでお正月♪等々)
 本作品は1990年「福岡アジア文化賞」委員会の委嘱にあり、授賞式の式典音楽として作曲された。全体を交響詩としてまとめあげ、緩急のリズムを交互に用い、アジアのイメージで構成されている。タイトルの由来はヒマラヤ地方の言い伝えから来ている。

・・・・・ Far from Ancient limes, People said Rainbow is the Symbol of Happiness ・・・・・

 初演は橋本久喜指揮の九州交響楽団によって行われ、更に1993年には故人を偲び、大学のクラブ同窓会が追悼演奏会を催した折りに(当クラブの有志も多数参加)、当クラブメンバー知久幹夫氏の編曲でも演奏された。本日の編曲では第4楽章の終結部に若干の加筆を加えた新編曲で演奏する。

第25回定期演奏会より/解説:Yon


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